2月 041998
 

郵政カブは「生きた化石」ではあるが、働くカブたちの頂点に立つ素晴らしいバイクだ。厳しい使用条件にも十分な耐久性をもつその姿は、建設機械に似た力強さで見る者を圧倒する。

郵政カブは何よりも全てが頑丈だ。リアキャリアはもちろん、フロントキャリアも頑丈この上ない。噂ではフレームのパイプも他のカブより肉厚らしい。この郵政カブを見た後ではパリダカ出場マシンも華奢に見えるハズだ。

郵政カブは頑丈なだけではない、機能の固まりでもある。仕事のための道具にはそのデザイン、ディテールの全てに理由があるのだ。

14インチの小径タイヤは小回りのしやすさと足つき性の為。大型のキャリアは配達用ボックスのサイズに合わせた物で、シート側面に回り込んだキャリアの一部はセンタースタンドを立てる時に車体を持ち上げる取っ手でもある。サイドスタンドは使用地域の状況に合わせて車体の傾きを2段階に選択可能。リアブレーキ調整用のウイングナットとスライド式のチェーン点検穴のフタは毎日の点検、調整の為のデザインだ。極めつけはタイヤとの隙間を2段階に調整可能なフロントフェンダー。普段は隙間を小さくして泥ハネを最小に防ぐが、雪の日には隙間を広げる事でタイヤチェーンの使用に対応。

まだある。ガソリンを空気と混ぜてエンジンに送るキャブレター。寒冷地ではアイシングといってキャブレターがガソリンの気化潜熱の為に凍り付くことがある。郵政カブはこの対策として排気ガスの熱をキャブに回して凍結を防ぐダクトが付いていた。(現在は電気ヒーター式)

これだけのディテールの代償として郵政カブはとにかく重い。90(HA02)の84キロに対してMD90は94キロだ。また、その容姿は決して美しいとはいえない。例えるならストリームデザイン以前の蒸気機関車の様な力強いもの。デザイン以前のデザインなのかもしれない。

1998-2-4作成

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