1月 252003
 

Yahoo!のオークションに旧いカブのエンジンが出品されているのを見つけた。旧いカブが好きな人たちの間で「吊りカブ」と呼ばれている1960年ころのエンジンだ。Yahoo!のオークションには出品されているアイテムから、その出品者が出品しているアイテムの一覧を見る事のできる機能がある。

「吊りカブ」のエンジンを出品しているとしたら、その人は他にも旧いカブに関するアイテムを出品しているかもしれない。早速、出品者の他のオークションを見て唖然としてしまった。

そこには「吊りカブ」の部品がフレームからエンジン、前後輪に至るまで並んでいて、ひと目で1台の「吊りカブ」を分解してオークションに出品している事が分る。わたしは「ついにここまで来てしまったか」と感じた。


オークションの様子

オークションではバイクがまるごと1台が落札される金額に比べ、部品の落札される金額の方が相対的に高いという傾向にある。もちろん現在も部品がホンダから入手できる比較的新しいカブの部品ならば、小売価格が生きているのでその様な事は稀だろう。

しかし、ホンダから部品が供給されなくなってしまった、旧いカブの部品の落札価格は高騰気味であり、わたしは以前から「高く売るため1台のカブを部品単位にバラして売る人が出てくる」事を危惧していたのだ。予想はしていたがそれを目の当たりにさせられると落胆を感じざるを得なかった。

出品されていた「吊りカブ」は写真を見た限りではレストアできない様な状態ではなかったし、主要な部品が足りない様にも見えない。たしかにフロントフェンダーは割れていたしシートも破れて酷い状態ではあったが、レストアしなくても多少の修理で40年以上の風雪に耐えてきた雰囲気のまま残せる様に見えたのだ。

悲しいではないか。こうした事で世の中から1台の「吊りカブ」が失われてしまうのだ。見方によってはこうしてバラバラに売られた部品が、それぞれの先でその部品が足りなかったばかりに完成していなかったカブを生き返らせるかもしれないが、そうした他のカブの役に立つのは1台のカブとしては残せない様な末期の状態のカブだけであってほしい。

たしかに売る側は少しでも高く売りたいだろう。買う側も1台丸ごととなるとおいそれと出せる金額ではないだろうし、置く場所なども考えなければならないだろう。一方、部品なら小遣いで買える範囲で済むし「これなら予備に持っていても・・・」という気持ちになりやすい。こうして1台丸ごとの出品と部品の出品では関心をもつ人の数が全く異なってしまうため、落札される価格も部品の方が高くなってしまうのだと思う。これも市場の競争原理ってヤツなのか。

もっともこうした傾向を歓迎する向きもあるに違いない。この様にして現存する未再生車が少なくなればなるほど、自分の持っているモノの価値が高まると思う人が。この様にモノの価値を、値段や稀少性だけでしか判断できない人は少なくないだろうが、そういった人は旧いカブの世界にだけは踏み込まないでほしい・・・ってそうした人はこんなモノ読まないよなぁ(苦笑)

追記:できれば誰かがこのオークションの出品者と交渉し、まとめて購入する事を期待しているのだが・・・自分の甲斐性無さが恨めしい(苦笑)

2003-01-25作成

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