3月 312004
 

カブの絵を描いてもらった。きっかけは偶然である。2月上旬の土曜日、昼食をとるためヨメとふたりで銀座方面に向かって歩いている途中、土日は閑散としている兜町で画廊が開いているのに気付く。

表に向けられた作品に誘われて中をのぞくと、数名の方の作品が展示されている。その中に心温まる色合いとタッチで描かれたひとりの作者の作品に心を奪われてしまった。

食い入るようにそれら作品を見ていると、関係者の女性が作者を紹介してくれた。その方は森本ひであつさんといい、絵の雰囲気通りに優しそうな方。こちらは慣れていないのでたいして気の利いた事も言えず、名刺をもらって辞す。

展示されていた作品は手ごろな価格ではあったが、ヨメの方は衝動買いするほどの雰囲気ではなかったので、その場での購入には至らなかったが、その後も彼の絵が気になっていたのだ。

その翌日の日曜日、もういちど彼の絵を見ようと、再びその画廊に行くと展示は昨日で終わっている。僕らが訪れたのは最終日だったのだ。少し落胆したが昨日もらった名刺を思い出す。それを見ると彼のウェブサイトのアドレスが記載されていた。

アクセスすると画廊で見た絵のほかにも沢山の彼の作品を見ることができた。それらの多くも気に入るものであったが、作品のコメントに「個人の方からの依頼」というものが数点あるのに気付く。

個人からの依頼で絵を描いてもらえるとしたら、カブをモチーフにした絵を依頼すれば描いてもらえるかもしれないと思いつく。

しかし、森本さんの作品は動物や人物を題材とした作品が多く、絵のタッチや色使いもそうした題材に合った優しい感じなので、バイクの絵を描いてもらえるかどうか分からない。

そもそも自分は絵を依頼するなどという経験が無い。はじめての依頼である上、作者の傾向と異なる題材の作品を描いてもらえるのであろうか。こんな依頼は失礼にあたるのではないだろうか。

等々、不安一杯であったができるだけ丁重に、そして一般的にオートバイというと無機質で固いイメージがあるが、自分にとってカブは優しいイメージである事などを切々?と説明するメールを送った。

その翌日、森本さんから依頼を受けていただけるという、れしい返事をいただく。できるだけ要望に応えたいので「タッチや色合い等について、具体的に要望を言っていただいた方が満足していただけると思うし、自分としてもその方が描きやすい」そうだ。

早速、森本さんのサイトの作品のすべてに目を通す。しかしタッチも色合いもそれぞれ魅力的で決められない。さんざん迷った後、今回はカブを大きめと小さめの2枚描いてもらう事に決める。

その他には、紙の地色を生かしたものと、彩色面が大き目のものとしてほしいとお願いし、色合いやタッチはお任せという事に。

森本さんにカブを描く参考にしてもらうため、自分のHPのトップページにランダム表示されるカブの画像のリストを作成。参考資料としてタイムスリップグリコのカブとポストも送る。実車は客観的に見れば固い雰囲気だろうが、タイムスリップグリコのカブなら優しい雰囲気の絵を描くのに役立つのではと思ったのだ。

森本さんには「作品の完成はいつでも良い」と本心とは裏腹(苦笑)の事を伝える。エエカッコしたかったのと、納期のプレッシャーを与えたくなかったからだ。

それからひと月半。ようやく作品が完成した旨のメールをもらうことができた。じつはその2日ほど前に、こちらから様子を伺うメールを送ろうかどうか迷っていたのだ。しかし文面にいくら工夫しても送れば催促になってしまう。結局この時はもうしばらく我慢する事にしたのだ。

メールには作品の画像も添付されていた。最初の印象は「カブが森本さんのタッチと色合いで描かれている」という単純なうれしさ。森本さんからは「修正するところがあれば遠慮なく言ってほしい」との事なので、一箇所のみ。

カブの前輪のドラムが、バイクを知る者の目ではディスクブレーキの様に映ってしまうので、その部分のみ修正してもらう。

その他にも、カブに関してはディテールまで頭に刷り込まれてしまっている自分からすると、多少は気になるところも無いではないが、自分のほしかったのは森本ひであつさんの、彼らしいカブの絵であり、細密画ではないので余計な口出しは自重。

作品の到着はこれから。どこに飾ろうかなぁ?額はどうしようかなぁ?・・・とこれ以上長ったらしい駄文は要りませんね。彼の作品をご覧下さい。


作品1「スーパーカブ」


作品2「カブのある風景」

森本ひであつさんのウェブサイト→http://www.hideatsu.com/

2004.03.31

追記:ほぼ日刊イトイ新聞のコンテンツ 「カワイイもの好きな人々」に、わたしが描いていただいたカブと妻にプレゼントした絵が載っていました。2008.05.30追記

追記2:上記のコンテンツは、後日書籍化されました。
www.amazon.co.jp/カワイイもの好きな人々。(ただし、おじさんの部)

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