6月 122004
 

6月12日(土)に鈴鹿サーキットで開催された「Hondaエコノパワー燃費競技鈴鹿大会」に参加した。この大会は毎年秋にツインリンクもてぎで開催されている「ホンダエコノパワー燃費競技全国大会」に対する地方(関西)大会という位置づけのもの。全国大会にはSuper-Cubsとして毎年参加していたが、鈴鹿大会への参加は今回がはじめてだ。

参加のきっかけになったのは、昨年の全国大会後にちびっ子T-Ark(以下ちびT)さんから送られてきた「宣戦布告」という少々物騒なタイトルのメール。

————————-Message————————-
From: ぷりんす
To: スギヤマカツヒサ
Cc: 勝さん; 提督; じゃいあん; イカ様; じゃい子; イワサーキ将軍; 泣き虫ガンちゃん; ノビ太; 「殿下」; ずるマツ; 松本怪人; しみずるい; 中谷分からん; たぐっちゃん; 魔女っ子のぞみちゃん; 悪党ヒラツカ; やぶ; もり; あじ
Subject: 宣戦布告!

お世話になっております。チームちびっ子T-Ark代表の本沢と申します。毎年毎年悔しい思いをさせていただき、もう、ボクお腹いっぱいです♪

・・・と言うわけで来年は何処のコースでも、どんな天候でも、必ず倒します。つきましては、挑戦状を手渡ししたく存じますので、名古屋近辺に出張の際はぜひ一声掛けてください♪

ちびっ子T-Ark代表:本沢
PS:今年のカブ部門の親分の企画書を添付します、どうぞ「ご笑味」下さい♪
———————-End of Message———————-

・・・という内容。ちびTさんは豊田市を拠点として活動しており、エコラン専用マシンのクラスである一般クラスには、燃料噴射システムを搭載したマシンで参加している、技術力のあるチームだ。

彼らは鈴鹿大会の市販車クラスで02年、03年と連続して優勝しているのだが、全国大会では運に恵まれず、ここ数年は常に上位に位置しているにも関わらず、いまだに優勝できないでいる。

01年の全国大会は我がSuper-Cubsが1-2位でちびTさんが3位。我々が市販車クラスに参加しなかった02年のちびTさんはなぜか不調で9位。昨年(2003)年は我々が1位でちびTさんが2位という、ちびTさんにとってSuper-Cubsは目の上のコブ状態。(01年以前は、カブの製造工場であるホンダ熊本製作所という、まさにワークスチームが常勝であった。)

そんな事もあり、昨年の全国大会が終わって2004年の活動方針を立てる際、「打倒!Super-Cubs」という目標?を立てたのだろう。もちろんちびTの皆さんは楽しくユーモアのある方ばかり。エコランを真面目にかつ「楽しむ」ために挑戦状という企画を立てたのだ。

メールに添付されていた企画書も楽しい。

ちびっ子T-Arkカブ事業部活動方針/マニフェスト

・・・という立派なもの。常人には理解できない箇所も一部にあるが(笑)真面目に楽しくエコランに取り組む姿勢には関心する事しきり。このメールにより、色々と理由をつけて「自分としてはエコランへの参加は終わりにした」決心が揺らぎはじめてしまった。

いずれにせよ、エコラン界で有名なちびTさんから挑戦状をいただけるというのは、光栄な事である。家宝になるかもしれない←ホント。「すぐにでも受け取りに参ります」という気持ちではあったが、一応「挑戦を受ける側が、挑戦状をもらいに行くっていうのは、少々間抜けな気がしますねぇ」と返答。

ちびTさんは昨年、一昨年と2連勝している鈴鹿大会を、今回の勝負の場所として考えている様。この段階ではまだ挑戦を受ける決心はついていない。理由はドライバーのアテがなかった事。我が家のドライバーのミナトが乗り気でなかったからだ。

そうこうしているウチに時間だけが過ぎ、3月に入ってから再びちびTさんからのメール。(しかし、ちびTさんのメンバーって何人いるの?)

————————-Message————————-
From: ぷりんす
To: 勝さん; 提督; じゃいあん; イカ様; じゃい子; イワサーキ将軍; 泣き虫ガンちゃん; ノビ太; 「殿下」; ずるマツ; 松本怪人; しみずるい; 中谷分からん; たぐっちゃん; 魔女っ子のぞみちゃん; 悪党ヒラツカ; やぶ; もり; あじ
Cc: スギヤマカツヒサ
Subject: [tiny-bomb]M:チーム通達AF9809-0004

もとざわ@3月入ると会社辞めたくなる。5月病の一種では無いかと?

鈴鹿エコパGrI三連覇がかかっている「ちびっ子三輪車」ですが、今年のチーム名は「ちびっ子三輪車V3(ぶいすりー)」に決定。尚、エントリー用紙の一言には「スギヤマカツヒサ!オレが怖いのか!かかってきやがれ!」以外は認めません♪

杉山さん、今年は6月12日だそうです♪従業員一同首を洗ってお待ちしております。尚、当然ウチが負けたら雨天だろうがなんだろうが、

1,マネージャー土下座。「茂木で勝負してください」泣きのもう一回スペシャル。
2,トム・ジョーンズの真似で「よくあることさ」を大声で歌う。(映画マーズ・アタック参照)
3,メガネをおでこに上げた状態で「メガネ・メガネ」をさせる。

など各種罰ゲームを多数用意しております。お気軽にご用命ください。
———————-End of Message———————-

・・・と再び挑発してくれる。これだけ盛り立ててくれたのに、挑戦を受けないのは失礼だと・・・数分間熟考し、去年の全国大会で1位となった我がSuper-Cubsの長田さんに相談。一緒に参加する事に決めた。

そうと決まれば、次のイベントは挑戦状を叩きつけれれる場面。ちびTカブ事業部のマネージャー(事業部長?)である鈴木さんと場所や日程の調整。いくらおふざけとはいえ愛知県からわざわざ東京に来てもらうのはたいへんだろうと、静岡あたりで落ち合う提案もしたが、

「こちらから出向きます。優勝チームに対して鈴鹿に来いなどと申し入れてる訳ですから、最低限の敬意は示さなければいけないと考えてます。すでに敬意を表してないかもしれませんが・・・ということで、杉山様のお宅もしくはその近くまでは伺わせていただきます。」

ときた。彼らは本気で遊んでいるのだ。こちらも心して掛かろう・・・という事で4月17日に東京まで来ていただいた。待ち合わせの東京駅にいらしたのは鈴木さんと本沢さん。こちらは長田さんの都合が合わなかったため、自分とミナト=2001年の優勝ドライバーで出迎え。

今日は鈴木さんが挑戦状を私に叩きつけ、本沢さんは立会(見物)人という格好だそうだ。4人で食事をしながら話がはずむ。エコランはもうイイと言っていたミナトも再びドライバーをやりたくなってきた様。

最後に店の表で鈴木さんから挑戦状をいただく。和紙に毛筆で書かれた立派なもの。「手紙の書き方」といった教本の類にも、さすがに挑戦状の書き方は載っておらず苦心したそうだ。


挑戦状

ちびTさんにこれだけの事をしていただいたら挑戦を受ける他無い。早速鈴鹿サーキットのサイトで参加を申し込む。とはいえ準備らしい準備といったら実家に置いてあったソーラーカー用のタイヤと、エコラン用に改造したクラッチを長田さんのところに届けたくらい。

とはいえ、ちびTさんからの挑戦状のおかげで、我が家のエコランやりたい度は急上昇。秋の全国大会への参加も決めてしまったし、そのための車両や新たなタイヤも注文。考えてみると自分たちはちびTさんの思うつぼにはめられているのかも。

大会前週の土曜日、長田さん宅で参加車両の準備。お互いに何をやれば良いのか分かっているので手際は良い。タイヤを交換したりベアリング類の調整等を行う。夕方までに何とか走れる状態になったが、ちびTさんはこの日にテストコースで最終調整をすると言っていた。いまごろこんな事をしていて大丈夫なのだろうか。

そんな準備をしている最中、鈴鹿大会のエントリーリストが鈴鹿サーキットのサイト上で発表された。見るとちびTさんのチーム名は「ちびっ子三輪車V3」大会への抱負は「かかってこい!スギヤマカツヒサ!」になっている。こんな内輪ネタで盛り上がっちゃって困った人たちだなぁ。ウチのチームの抱負は「出稼ぎに来ました。目標180km/l」

しばらくしたらちびTの鈴木さんから「ウチの目標は181km/lです」というメール。そのメールは「大会後一緒に打ち上げをしましょう」というお誘い。もちろんその様な嬉しい誘いに乗らないハズは無い。長田さんの予定を確認しすぐに返事。これで鈴鹿行がさらに待ち遠しいものとなった。

6月12日の大会当日。我がチームは40才過ぎのおっさんチームなので、無理をせず前日、四日市に宿泊してからの現地入り。パドックのオープン時間が3時からとなっていたので「ずいぶん早いなぁ」と思いつつ5時にサーキットへ。いざパドックに行くと閑散としていて「ホントに今日だったっけ?」と不安になる様な状態(苦笑)

前日の雨も上がったので、準備も滞りなくスムーズに進む。車検も問題無し。ウチはゼッケン3番でちびTさんは4番。午前中の試走は3周までとなっていたが、ブリーフィングで聞くと一度に走れるのは3周までだが、時間内であれば何回でも走れるとの事。始めてのサーキットでギア比も走行パターンも分からない自分たちには朗報だ。

試走は結局3周を3回走った。最初は完全な様子見。ドライバーの長田さんが言うにはダンロップの坂で止まってしまうと再び加速するのはキビシイそう。やはり結構な登りという事だ。2度目は本番を想定した走り。3度目はドライブスプロケットを16Tから15Tに下げてみる。走行後に聞くとこちらの方が良いフィーリングだという。燃料の減り具合はデジカメで撮っただけで、2度目と3度目の差が判別できなかったため、ドライバーのフィーリングを優先してこの仕様で行く事に。

鈴鹿サーキットはTRもてぎと走行パターンが全く異なる。TRもてぎはほぼ平坦なコースなので空気抵抗を考慮して、スピードを上げすぎない様に走るが、鈴鹿の東コースは登りと下りしか無い様なコース。ストレートは下っているのでエンジンを掛けなくても勝手にスピードが上がってしまうし、登りは急なのでスピードを落としすぎると加速が困難になってしまう。そうした状況に合わせて走ると平均スピードは必然的に上がってしまう様だ。制限時間を気にせずに走れるのは楽ではあるが、ドライバーの走り方の比重が高いとも言える。鈴鹿はムズカシク、かつドライバーは楽しいというのが結論。

試走の結果、下りでの最高速度は50キロ近くに達する。このスピードを使って上りの途中まで行き、エンジンは2度掛けて登り切るパターンとする。何度もテストしてみなければベストな走り方は分からないが、市販車クラスなら上りを2-3速とギアチェンジする様な走り方もアリかもしれない。(エコランではトップギアで加速し、ニュートラルで惰性走行という走り方が一般的)

1時から競技開始。初めてのコースなので長田さんとは「今回は勝てなくても仕方ない」と話していたので気負いは無い。(もちろん手抜きも無し)本番はコースを5周、11キロ弱の距離を走る。

我々は3番目のスタートでちびTさんは4番目。スタート後はピットレーンでちびTの本沢さんや鈴木さんと一緒に競技を見守る。時間的には1周あたり5分程度で走れば良いのだが、実際にはこれよりペースが早いのでタイムアウトの心配はまず無い。2周を走ってストレートに戻ってきたのはちびTさんのマシン。先に来るハズの長田さんが見えない。

すぐさま「トラブル」や「リタイヤ」という言葉が頭をよぎる。しかし、程なく長田さんはストレートに姿を現した。実際には20-30秒程度なのだがこの間の時間が長く感じられるのだ。通り過ぎてから時計を見るとそれほど遅れてはいない。この周はウチのマシンも遅れはしたが、ちびTさんのところがずいぶんと速い様なのだ。

あとで長田さんに聞くと、この周の上りでエンジンの始動手順を誤って遅れたとの事。その後もちびTさんは速いペースで飛ばしていて、ピットのふたりは「速すぎる」「あいつレースと勘違いしてるんじゃないのか?」などと色めきたっている。ちなみにちびTさんのドライバーはコデールさんというカナダの方。最後は先にスタートした3台をすべて抜き去って一番早く戻ってきた。

ウチはちびTさんから2分半ほど遅れてゴール。すぐに係員立会いの下、燃料タンクを外して計測場所に行く。先にゴールしたちびTの鈴木さんが持っていた燃料タンクと見比べても、どちらが多いかは分からない。係員が精密な秤で重量を測定。先に測定を終えた鈴木さんもウチの計測結果が出るのを待っている。程なく測定が終わり鈴木さんとデータを比較すると、消費したガソリンの重量はウチの方が0.35グラムほど少ない・・・勝ってしまった。ピットに戻って燃費を計算すると157.26km/l。予想以上に低い値は、公式発表された時点での燃料密度より、競技中の方が気温が上がって密度が下がったことも影響しているのだろう。

しばらくして結果が発表されたと聞きふたりでコントロールタワー下に走る。結果はウチが1位でちびTさんが2位。10.89kmの距離を走り、燃費はウチの157.26km/lに対して、ちびTさんは156.19km/lと、その差は1.07km/l。ガソリンの消費量でいうと0.35グラム=0.47ccという僅差。3位のチームは118.2km/lなので、ちびTさんとウチがいかに拮抗していたかが分かる。

片付けの前にカブを表彰台の前に持って行き記念撮影。一緒に競ったちびTさんとも写真を撮ろうとピットに赴く。お互いのカブを並べて写真を撮っているとちびTさんのメンバーから鈴木さんに”土下座コール”が。みな本沢さんのメールを覚えていた様だ。その盛り上がり方を目にすると、ウチに勝つよりも、ちびTさんのメンバーはこちらを期待してた様でもある。写真も様々なアングルから撮っている。自分たちはどんな顔をして良いのか分からず困ってしまった。


ちびTとSuper-Cubs


土下座

その後、表彰式を終えてからちびTの皆さんと豊田市に移動。その晩の打ち上げにお招きいただいた上、鈴木さんのお宅にも泊めていただき大変お世話になりました。鈴木さん、本沢さんをはじめとするちびTの皆さんありがとうございました。

こうして卒業するつもりだったエコランに、ちびTさんのおかげで再び引きずり込まれてしまった。全国大会ではちびTさんに加えて、チーム内の長田さんもライバルである。エコランは自分との戦いだと思ってやっていたが、相手がいるとさらに楽しい。その相手が素晴らしい人たちであればなおさらだ。

2004.06.21作成

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