5月 202012
 

50ccのスーパーカブがモデルチェンジされた。先にモデルチェンジとなった110と同様、中国で生産して供給するそうだ。車体やエンジンの基本が110と共通化されたので、まさにフルモデルチェンジ。これほどのモデルチェンジは50年以上にわたって生産されてきたスーパーカブ50の歴史の中では最大のモデルチェンジといえよう。2番目は1966年のOHVからOHCへの変更あたりか。

新しいスーパーカブ50は当然ながら従来のモデルよりも進化してはいるが、今回のモデルチェンジは「進化やニーズへの対応」より「メーカーの都合」の方が大きいだろう。早い話が「国内の需要は頭打ち。今後も成長が見込めない」ので「大量の需要がある中国で、現地のモデルとできるだけ共通化して、一緒に生産した方が低コストで造れる」という事だ。

「丸目でないと・・・」とか「ボトムリンクサスでないと・・・」という一部の消費者のコメントが聞こえてきそうだが、成長いちじるしい新興諸国の規模の経済は、先細りの日本専用車種の存続を許さず、飲み込んでしまったかたちとなったワケだ。今回のモデルチェンジのユーザーレベルでのメリットは「4速化と値下げ」だけと断ずる消費者も多そうである。

長きにわたりホンダはモーターショーのたびにショーモデルというかたちで、私たちに「未来のスーパーカブ」の夢を見させてくれていたが、スーパーカブ好きにとってカブの未来はバラ色ではなかった様だ。グローバル化にしのぎを削る自動車やモーターサイクルの世界は、内向きなノスタルジーという回顧趣味を許さななかったという事だろう。こうした方向の先を見るとリトルカブがいつまで供給されるかが気がかりになってくるのだが、日本での需要の減少を見れば「時代が変わった」としか言えないかもしれない。


日本国内の二輪市場から見えてくる実状(日本二輪事情、2010年版)より

しかしわたしにはいちるの希望がある。

昨年のミラノショーで発表されたVespa 946(46)だ。これは1946年にリリースされたオリジナルデザインをモチーフとした市販予定車。こういった素晴らしデザインならバイクに乗った事が無い人にも十分にアピールできるだろう。

ホンダもこうした素晴らしデザインのモデルを提案してほしい。これまでデザイン性の高いモノは先進国をマーケットにしていたが、グローバル化の現在は新興国にもこうしたモノへの需要が増えつつあるだろう。「丸目でもボトムリンクでも」「日本人はもとよりベトナムや中国の人たちにも」アピールできる素晴らしいデザインのカブを提案してほしいものだ。

PS:今回のモデルチェンジでエンジンのボア・ストロークも変更され、従来型よりもロングストローク化された。一般的にショートストロークは高回転高出力型、ロングストロークは中低速重視の低燃費型とされる。
PS2:今回のモデルチェンジで1959年から連綿と維持されてきたエンジンマウントの互換性は失われたと思われる。このあたりは改造系のサイトで検証されるだろう。

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