8月 222012
 

前回の考察で「丁寧に作業を行えば腹開きでもきれいな干物を作れるが、大量生産の場合は背開きの方が歩留まりが良い」と結論付けましたが、その他の背開きと腹開きの違いを考えてみました。

そして導き出したのが「干物は背開きの方が均一に火が通る」説です。

調理人はアジや鮎を一尾丸ごと焼く=姿焼きの際、見た目を美しく仕上げるためヒレに化粧塩(飾り塩)をします。薄いヒレは焦げやすいため、これをしないとヒレが黒焦げになったり、焼け落ちてしまうからです。

また、平べったい食材を直火で焼く際に火が強いと、中心よりも周辺=縁の方が焦げやすいですよね。これは、食材に均一に熱を当てた場合、縁以外の部分は下からの熱だけで加熱されますが、縁の部分は下からの熱に加えて、側面からも熱が加わるためです。

つまり、「薄い部分は焦げやすく」さらに「縁の部分も焦げやすい」のです。

これを干物に当てはめてみましょう。腹開きの干物は身が薄い腹の部分が外側になります。つまり薄くて焦げやすい腹身の部分が、これまた焦げやすい縁の部分に来てしまうのです。

こうなると腹身の部分には早く火が通ってしまい、背側の厚い身の部分に火が通ったころには腹身は焼けすぎてしまうという結果となります。

一方、背開きの場合は薄い腹の身が焦げにくい内側になり、身の厚い背の側には下からの熱と側面からの熱が当たるという、厚みの異なる食材に適した焼き方となるのです。

という事で、厚みの異なる食材は、内側を薄く外側を厚くした方が均一に焼くのに適しているという事になり、それはそのまま干物に当てはまるという結論です。

これだけ考察して「背開きは大量生産に適し」ていて、かつ「焼きやすい」という生産者側と、調理者側に都合の良い開き方だという事になりました。

しかし、丁寧に作業を行えば腹開きでもきれいな干物は作れますし、火加減を上手に操れば腹開きでもきれいに焼く事は可能でしょう。

次回は「背開きの干物と腹開きの干物ではどちらがおいしいか」について考えてみたいと思います。

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