11月 302012
 

三樹書房から「スーパーカブの歴史」が出版された。この本はタイトル通り「スーパーカブの歴史」の本。サブタイトルは「ロングセラーモデルの変遷 1952-2012」となっている。スーパーカブが発売されたのは1958年。1952年はスーパーカブ以前の自転車補助エンジンであるF型カブ号の発売年だ。

三樹書房はこれまでにもスーパーカブの書籍を出してきた。はじめに出された「スーパーカブ・世界のロングセラー」は、スーパーカブの誕生から現在に至るまでが、開発担当者へのインタビューや、技術開発の変遷から派生モデルまでと、スーパーカブの話として面白い読み物となっているが、そのために時系列通りの記述とはなっていない。そして2冊目の「スーパーカブ・誕生50周年記念版」は関係者や愛好家など50人がスーパーカブを語るというもの。

そしてこの「スーパーカブの歴史」。前半は「スーパーカブシリーズの歴史、ロングセラーモデルの軌跡」として、スーパーカブの元となった自転車補助エンジンF型カブ号の誕生の経緯から、スーパーカブの開発の経緯、その後のモデルチェンジの状況が最新の中国生産モデルまで当時の社会背景も含めて要領よく簡潔にまとめられている。

後半は「スーパーカブの歩み、カタログでたどるモデル変遷」として、F型カブ号から最新モデルまでのカタログや広告が120ページにわたってカラーで掲載されている。当時のカタログと広告と聞くと「それらのコピーでページを埋めたのか」と思われるかもしれないが、これが見応え、読み応えあるのだ。

まず珍しいカタログや広告が多い。F型カブ号の広告やスーパーカブ発売時の新聞広告ははじめて見るものが多数。こうして見ると発売当時は新聞広告が多かった事が分かる。新しい乗り物をマスに広めるためには新聞広告だったのだろう。

1959年の新聞広告では供給不足を詫び、鈴鹿工場建設を知らせると共に「外注工場を求む」と協力工場を募集している。また、1961年のセキスイ(積水化学)の新聞広告にはスーパーカブのフロントカバーを同社で製造している事をうたっている。

スーパーカブが日本全国に普及して行くにつれ、新聞広告に代わって雑誌広告が増えてくる。こちらはイメージ広告をメインに展開していた様だ。そしてスーパーカブが完全に定着すると新聞や雑誌への広告は無くなりカタログだけになる。スーパーカブは誰もが知るスタンダードな道具となったという事なのだろう。

そして、これらの広告やカタログに添えられたキャプションが力作。雑誌に多い手抜きなものでは無くしっかりとした解説になっていて、筆者のスーパーカブに対する造詣の深さが感じられる。このキャプションを読むとカタログの方も読みたくなるのだが、カタログは縮小されているので私には拡大鏡が必要。

そうした部分では簡単に拡大できる電子書籍版があると良いと思う。あとは海外展開の様子や北米で展開されたYOU MEET THE NICEST PEOPLE ON A HONDAの広告も載せた増補改訂版を出してもらえるのなら、わたし何冊でも買いますよ。

三樹書房「スーパーカブの歴史」www.mikipress.com

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