2月 112012
 

プーケットのカブ事情をお伝えいただいた尼崎の井上さんから、あらたにハノイのレポートをご提供いただきました。行かれたのは昨年末から年初に掛けてですので最新情報。「ベトナムの今」です。

Bikes of Burdenの世界。おしゃれなカブも良いですが、たくましく働くカブも素敵です。下の写真のカブは角目のカスタムですね。日本からの中古車でしょうか。

二人乗りですが巨大な荷台でリヤショックは二本掛けです。普通ならノーマルのショックを外して大型バイクのモノに交換すると思うのですが、それでは取り付け部分に力が集中して曲がってしまうのでしょうか。それだけの重量を積むという事でしょうか。それだけ積んだらフロント荷重が限りなくゼロに近づきそうです。

お洒落なナンバーフレームです。

私がベトナムに行った13年前は日本の中古のカブばかりでしたが、経済の発展に伴ってきれいなカブが増えた様ですね。これらは現地生産なのでしょう。それでもガンガン積むのがベトナムです。そういえばこちらでもヘルメットが義務化され、ホンダのテレビCMでも「ヘルメットをかぶりましょう」と啓蒙しているそうです。

人気はホンダのエアブレイド。若者にはカブ系よりもスクーター系の方がカッコイイという事なのでしょう。

レプソルカラーのWAVE125。皆さん綺麗にしてます。

シャリーですね。タイヤが小さいと取り回しやすく小回りが利きますので女性には使いやすいのでしょう。

ベスパ。さすがに乗っている方もお洒落です。ベトナムにはピアジオの工場があって町中でもチラホラ見掛けたそうです。あと、現地にはランブレッタの新車ディーラーもあったそうですよ。

市場でみかけた怪しいモペット。カブのエンジンが積まれています。妙な形状の荷台と2本掛けのショックは何かの特殊用途でしょうか。それにしても中途半端な位置にあるシフトレバーは手足両用?ステップもありません。

街の修理屋さん。歩道=作業場なのは昔も今も一緒の様です。

・都市は異なりますが、13年前のサイゴン(ホーチミン)のレポートと読み比べていただくのも一興かと思います。

1月 282012
 

尼崎の井上さんよりプーケットで撮ったカブの写真をご提供いただきました。プーケットはタイ南部のアンダマン海に面するタイ最大の島で、世界有数のリゾート地として知られており、エメラルドの海と真っ白な砂浜の美しさから「アンダマン海の真珠」とたとえられているそうです。

のどかな街の様ですね。屋根の付いた側車付きのカブは何かを販売するためなのでしょう。しかしこの形状を側車(サイドカー)と呼ぶのはふさわしくない様にも感じます。「側屋」あたりがふさわしい様にも思いますが・・・ずばり「屋台カブ」かしら。

道ばたに停まれば完全に屋台です。売っているのは果物でしょうか。日差しやスコールのために屋根は必須なのでしょうね。向こう側のカブは完全な荷物の運搬用です。

旧めの車体ながらかなり手の入ったカブです。こういったセンスは若い方ではないでしょうか。

90ccなのですね。エンジンのカバーはバフ掛けでしょうか。それともクロームメッキなのでしょうか。ホイールはラジアル組みの一種です。それにしてもタンクやサイドカバーのエンブレムが立派です。

Rウインカーの取り付け穴が見えますのでウインカーはWシートのステーに付いている様です。奥に見えるのは現代の「速い」系のカブですね。

放置され朽ち果てつつあるカブです。上の写真のカブと変わらない時代のカブの様ですが、放置されるという事は現地が経済的に豊かだという事でしょうか。わたしならエンジンくらいはいただいて保管したいところです。

フロントサスが強引な方法で強化されています。リアサスはノーマルの様ですが何の目的での改造なのでしょう。

2月 152007
 

友人のオサダさんがF-1開催地のマレーシアのセパン・サーキットで見つけたカブです。(彼はここで行なわれた軽自動車の24時間!耐久レースに出場)一見普通のカブの様ですが、ホイールが何だかカッコイイですね。よく見るとスポークの張り方が違います。通常はタンジェント組みと言われる張り方ですが、これはラジアル組みの一種ですね。

タンジェント組みはスポーク同士が交差していて、衝撃や横方向の力に強いと言われています。それに対してラジアル組みは(タンジェント組みよりも)スポークの長さが短い分、軽量化できますが、衝撃や横方向の力に対しての強度は、タンジェント組みに劣ると言われていました。しかし、自転車競技の世界では、近年ラジアル組みのホイールが増えておりますので、ラジアル組みでも十分な強度が得られる様になったのでしょう。

自転車用のホイールのラジアル組みは、傘の骨の様に完全なラジアル(放射)状となっていますが、このカブのスポークは角度の付いた放射状となっていますね。これだと完全な放射状よりも衝撃に強いのでしょうか。それもとルックスの面からこの様にしたのでしょうか。

一見するとタンジェント組みのホイールを、こうしたラジアル組みに張り替えできそうに思えますが、オートバイ用のリム(ホイール)は、スポークの張られる方向に合わせてニップルの受け口(穴)が空けられていますので、ラジアル組みにはラジアル組み用に作られたリムが必要(のはず)です。

カブ系バイクの市場の大きい東南アジアでは、こうしたカスタムパーツが供給されているのでしょう。彼の地ではキャストホイールのカブも売られていますし、こうしたカスタムパーツも選択できるのは羨ましいかぎりです。どちらも日本にも輸入すれば売れそうですね。

Feb.2007

12月 152002
 

今回はチェンマイに行ってきました。チェンマイはタイの首都であるバンコクから約700キロほど北方にあるタイ第二の都市ですが市の中心部をちょっと外れるとのどかで日本の昭和30年代の様な雰囲気。人々も穏やかで大都市のバンコクよりもゆっくりと時間が流れています。

チェンマイではスーパーカブが主流で大半が100ccエンジンのドリームです。過酷な交通状況のバンコクはドリームより速いソニックやダッシュといった車種が主流ですがチェンマイにはそれより穏やかなドリームの様な車種が似合っていました。

日本ではベトナムキャリヤと呼ばれているレッグシールドの部分に付ける部品です。ベトナムでは実用品でしたがここでは装飾的なパーツとして実用を離れて様式化されてしまった様ですね。この形状ではすでにキャリヤとは言えないかもしれません。

これを見ればチェンマイが貧しい田舎の街では無い事が分かるだろう。旧いバイクを趣味として楽しむ豊かさを持っているのだ。この街にはオールドホンダモーターサイクルクラブという旧いホンダ車のクラブもあり私が訪問した数日前にはツーリングが行われていた。

そしてカブの専門店。市街地から数百メートル離れた場所にあり若者が切り盛りしていた。間口も狭く小さな店だが旧いスーパーカブをメインに扱っていて完全に趣味の店である。こうした店が成り立つ豊かさもチェンマイの魅力だ。

きれいにペイントされたC100や旧いC50系。タイでC100は生産されていなかったハズなので新車または中古車として輸入されたものだろう。私が訪問した時は若い子が数人来ていたので若者の趣味として乗られているのかもしれない。

壁面のディスプレイ。写真に見えるのは中古部品だが新品もある様だ。ライトカウルを見るとC100の他にCM90やC65も扱っている事が分かる。その他、この店ではC92系の車輌等も扱っている様子であった。

ピストンやエアクリーナー等の部品も在庫している。ベトナムと異なり本物の純正部品?の様だ。当時のポスターや雑誌広告といった興味深い資料も飾られていて趣味として楽しまれている事が分かる。

こちらは別の店。店の前を車で通りかかった時にピンクのC100が目に止まり立ち寄った。言葉があまり通じなかったが持参したC100の載った雑誌を見せC100好きだという事を分かってもらう。この店には他にも旧いホンダ車や英国車等も置かれていた。

5人乗り!どうです、いちばん前に乗せてもらった子の楽しそうな表情。どこに行くのでしょう。お父さんとお母さんに挟まれたふたりは窮屈そうですね。

本サイトの「カブ徒然」にも関連したコンテンツ「チェンマイで見つけたC100の店」があります。また、今回の旅行ではチェンマイ在住の佐竹様にひとかたならぬお世話になりました。ありがとうございました。

Dec-2002

5月 272002
 

Super-cub in the world

韓国に行ってきました。旅行は今回も「食べる」が目的ですが当然「カブ」もチェックしてきましたよ。私たちの旅行はいつも食べる事が優先で次に現地の市場を見る事。観光は時間があれば・・・と順位が低いので史跡や名刹、博物館に行く事は稀です。もっとも言い訳にはなりますが歴史や文化についてはどの国に行く際も事前に書籍で勉強しているつもりですし、市場では食文化に接し観光客向けでない庶民の食堂では人との触れ合いも体験できます。カブやその使われ方を見ているだけでも人々の生活を感じる事もできますしね。

ソウルの様子は先輩の長田さんが一昨年写真を撮ってきてくれたので世界のカブ「ソウルの街角」編で紹介させていただきましたが、今回現地で実際に目にしてその使われ方が良く分かりました。

ソウルはカブが「仕事」に使われていました。現地のカブはDAELIM MOTER社製のCiti 100とCiti PLUSが主で「運搬」が主目的です。これは日本でも同様ですが日本とは異なりカブをファッションや遊びに使う光景は見られませんでした。使用される場所も日本で働くカブとほぼ同様。商店や市場内はもちろん新聞や郵便の配達からピザのデリバリーといった光景を多く目にしました。

車両もキャリヤが大型化され安定性を高めたサイドスタンドを追加しているカブは多いのですがダブルシートは皆無。しかし多くのカブがオプションのピリオンステップを装備しレッグシールドの内側にはシートを兼ねたトランクを付けています。このトランクを付けると足を揃える事ができなくなるので女性の民族衣装であるチマチョゴリ(スカート)での乗車は不可能。もっとも現地でカブに乗っていたのは男性ばかりでしたし働くアジュマ(おばさん)はみなズボン履きでしたのでその必要は無いのでしょう。

ソウルでは積載製を高めるため3輪に改造されたカブも見かけました。この改造はカブに限らず250ccクラスのスポーツバイクにも見うけられます。こうした改造は台湾やタイでも見掛けましたが韓国での改造はやっつけ仕事でなく本格的。デフまで装備されています。この国ではバイクは荷役の為に使われる事が多くマフラーを交換した750ccクラスのスポーツバイクであってもピリオンシートが無骨な荷台に交換されているものが大半。より積載性を高めるためスイングアームを延長してまで荷台を大型化したバイクも珍しくありませんでした。日本での積載性を高める改造はサイドカーやリアカーですがこの様に方法が異なる理由は何でしょう。法規則等も関係しているのでしょうか。

2002-05-27 
10月 152001
 

Super-cub in the world

joeさん撮影 Oct.2001

友人のjoeさんが趣味の宝石見学ツアー?に行った際に撮ってきてくれました。マンダレーはミャンマーの首都であるヤンゴンから500キロほど北の都市でルビーや翡翠の集積地だそうな。けど、ミャンマーがビルマだってのは認知されているけどヤンゴンは昔のラングーンだったのですね。

長閑な街角

3輪自転車のオジサンと後ろに座った女性が良い雰囲気ですね。これはサイカー(サイドカーの訛り)という立派な交通機関だそうです。ベトナムやタイでは自転車はカブに駆逐されそうですが、ここではカブと自転車が共存している様です。

結構カスタムしてます

このカブはレッグシールドを外し代わりに付けられるものは全て付けたという感じですね。これを見ると現地には結構な種類のカスタムパーツがある事が分かります。ナンバープレート?の文字が良いカンジ。joeさんによると現地のカブはタイ製が多いそうです。

丸目も健在

このカブもタイ製でしょうか。日本製の中古車かもしれませんね。後ろのピリオンシートを兼ねたキャリヤはベスパに付けられているモノに似ていますね。レッグシールドを外しているカブが多いのはなぜでしょう。雨が少ないのかしら?

しかし主流は角目の様

バイク屋です。これを見ると現地では角目ライトのカブが主流である事が分かります。しっかしこのテールレンズやウインカーのガードって私にはドーベルマンに付けられた口輪の様に見えて恐いのですが・・・
8月 152001
 

Super-cub in the world

つれあいが台北で行われる日本人ロックグループのコンサートに行くというので一緒に台湾に行ってきました。彼の地で走っているのはスクーターばかりだと聞いていましたが、0.4パーセント?くらいの割合でカブを見つける事ができました。

台北はスクーター天国

台北の市民の足はスクーター、暑いので自転車は好まれないのでしょう。繁華街の路上にはおびただしい数のスクーターが並んでいます。駐輪は歩道と車道に一列ずつ計2列にぎっしり。その他後輪の両側に車輪を追加してトライクに改造したスクーターも多く見掛けました。

夜の街角

私が台湾ではじめて見つけたカブは薄暗い通りにありました。レッグシールドのステッカー等から察すると若い人が乗っている様で働くカブではないみたい。当地のバイク雑誌には相当改造したカブが載っていたりもしましたので、台湾の若者にカブが流行るのはこれからなのかも知れません。

郵便配達の小姐

台北では郵便配達に緑色のカブやオートバイが使われていました。郵便ポストは普通郵便が緑で速達が赤だそうです。日本では女性の郵便配達人はあまり見掛けませんね。緑色のレッグシールドは郵便配達専用パーツかしら。白いシートに日本の郵便カブとの共通性を見る事ができます。陽が当たっても熱くなりにくいためでしょうね。

デリバリー

台北の繁華街、西門で見つけました。奥に見えるジュースやかき氷を売る店のデリバリー用です。綺麗なカラーリングなのでかなり目立っていました。台湾は右側通行ですがノーマルのサイドスタンドは左側に付いています。このカブは右側に後付けのスタンドが付いていますね。ピリオンステップの上に巻き込み防止用のストッパー見えます。

丸目も健在

台北市内で見掛けたカブの大半は角目のカスタム系でしたが、丸目のカブも僅かながら見掛ける事ができました。丸目はどれも適当に色褪せていて排気量も80cc。現行の機種では無い様です。以上のカブはいずれも現地メーカーの三陽工業(SANYANG INDUSTRY)製です。同社は現在ホンダの自動車の組み立ても行っているのでカブもライセンス生産から始まったのでしょう。同社のサイトに載っていたカブは100ccでテレスコピックフォークの車種だけでしたが、台北で見かけたカブは大半が90ccのボトムリンクサスでした。その他スズキのバーディ系も走っていましたよ。

三陽工業のサイト:http://www.sym.com.tw/ カブ(CHNINWANG100):http://www.sym.com.tw/Inside/gm/product/Chinwang/chinwang.htm

Aug.2001
12月 152000
 

Super-cub in the world

今回のイタリア旅行ではローマ、フィレンツェ、ベネツィアと回りましたが残念ながらカブを見る事はできませんでした。しかし現地で買ったバイク雑誌をながめていたらカブが載っています。ところがこのカブはMOTOR UNIONという中国の会社のコピーバイク。実際にイタリア国内で販売されているのかは不明です。

ご覧の通りカブのコピーです。スペックには90ccとありましたがいわゆるタイカブですね。どのくらい似ているのか実車を見てみたいものです。ちなにみホンダはイタリア国内でカブ系バイクは販売していません。

カブではありませんがついでにモンキーのコピーも紹介します。こちらは日本のモンキー専門誌に紹介された事もありますので好き者が輸入しているかもしれません。その他にも同社はシャリーのコピー等も生産している様です。

Dec-2000

10月 152000
 

Super-cub in the world

長田一日郎さん撮影 Oct.2000

先輩の長田さんが韓国出張の際撮ってきてくれました。DAELIM社のCiti PLUS。排気量97ccですからタイカブとほぼ同じスペックでしょう。レッグシールドとシートの間にあるのはオプションのトランクですが上面はシートになっており3人乗りに対応(笑) 同社はスーパーカブをライセンス生産していましたが現在では契約が終わっていると思いますのでコピー車と呼ぶべきかもしれません。(訂正:現在でも提携関係にある様です)ちなみにメーカー希望小売価格は1,500,000ウォン。長田さんにはカタログもいただきましたのでご覧ください。

こちらはCiti PLUSのスタンダードモデルのCiti 100-A。メーカー希望小売価格は1,390,000ウォン。なお同社のサイトにはオプション品も掲載されていました。http://www.dmc.co.kr/
3月 271999
 

サタデーナイト

ベトナムの人にとってカブは娯楽の道具でもある。それがもっとも分かるのが土曜日の夜のレ・ロイ通り周辺だ。ここはサイゴンの中心街、銀座か表参道といったことろで、夜はネオンが煌めく華やかな通りである。ここが土曜日の夜カブに埋め尽くされる。夕食を済ませた家族や恋人、友人同士が2人3人または4人乗りでここを流すのである。目的は(たぶん)無い。せいぜい夕涼みといったところであろう。ロータリー周辺には夜店まで出て繁盛、ヘッドライトを点けた数百台のカブがネオンの下を走る風景は圧巻だ。サイゴンでは夕涼みの散歩もカブでという事である。

カスタム
サイゴンのカブは見ているだけでも楽める。様々な改造が施されたカブが見られるからだ。カスタムには実用系と装飾系があるが、走行性能の向上を狙ったチューニング系はあまり見掛けなかった。(もっとも50ccのエンジンを70ccに載せ換える様な改造はあるかもしれない)実用系の改造としては前述のピリオン・シート、ベトナムキャリヤ、シートトランクが主である。その他、大型化された荷台やダブルシートの更に後ろに付けるキャリヤの他、レッグシールド内側に手提げを引っかけられる様にする日本でいうコンビニ・フック等が一般的。装飾系の改造にはステッカーやクランクケースのバフ掛け、中にはキャストホイールに交換している輩も。また、実用系と装飾系の中間としては各種のガード類があげられる。ウインカーやテールランプ用のガードやクランクケース用を見掛けた。装飾(金持ち)派のステンレス製のきれいなモノや実用(貧乏)派の鉄筋を曲げて造った様なものまであった。あと、金属製のサイドカバーを付けたカブも見掛けたが、あれは欲しかったナぁ。


バフ掛け


キャストホイール


金属製サイドカバー

ファッション系
サイゴンの中心街で一台だけファッション系と言えそうなカブを見つけた。ハンドルやウインカー、ヘッドライト、メーターからシート、マフラーに至るまで交換され、2トーンにペイント、レッグシールドも加工されていた。このオーナー、相当良いセンスです。


仏蘭西風カブ

チョロンのカブ
チョロンはサイゴンの西にあるチャイナタウン。ここでのカブはサイゴンと違って汚くボロく手入れがされていない。華僑にとってカブは道具でしかない様だ。油で汚れたラーメン屋の出前用みたい。これは華僑は金持ちなためカブに資産価値やステータスを感じていないためなのではあるまいか。しかし、活きたニワトリを束ねてハンドルに掛けた様子はいかにもチャイナタウンといったところ。これはこれで良いカンジでした。


束ねられた鶏

その他もろもろ
日本では車を洗うサービスがガソリンスタンド等で行われているが、サイゴンでは実質的にカブ用の洗車場になっている。その他カブを使った仕事としてバイクタクシーがある。ベトナムでは50cc以下のバイクには免許が要らないらしい。そういえばどう見ても10代前半に見える子供がカブを運転していたっけ。ヘルメット。そんな物・・・走っているカブを何千台も見たが一人としてかぶっていなかった…というのはウソ。一度だけ子供にヘルメットをかぶせて乗せている親を見掛けた。日焼け防止。女性は日焼けが嫌いだ。カブに乗る時は帽子をかぶりひじの上まである手袋をはめている。スカーフで顔を覆い目だけ出しているヒトも。


洗カブ場


長手袋

ベトナム人にとってのカブ
カブを欲しがるという欲求はベトナム人にとって共通の価値観の様だ。日本だって昔はみながテレビ・洗濯機・車を欲しがっていた時代があった。つまりベトナムの人たちにとってカブは中流生活の証なのだ。ベトナムでは他に何の財産を持っていなくてもカブさえ持てば対外的には中流の生活者になれるのだ。だから生活費を切り詰めてでもカブを買う。カブを持つことで中流意識を満足させるのである。過去に日本であった「マイカーブーム」って言葉と時代が、現在のベトナムに生きている。

カブで走るという事は…
サイゴンの交通状況、はじめは何とひどいモノ…と思ったが、今や彼らにとってホンダは足の一部になっている。ベトナム人がカブで走るのと日本人が人込みの中を歩く事は同一の行為と考えればそうした行動が理解できる。人は町中を歩くのにウインカーなんて使わない。行きたい方向に向かうのみである。しかし、急に向きを変えるときにはそばに人がいないか注意するし、人前を横切るときには手刀を切ったりする。歩行者は右側通行が原則といっても交差点では原則でしかない。こうして考えると、ビービーをじつにうるさいホーンも「ごめんなさいよ!」と声を掛ける程度の事なのかもしれない。 つまり、サイゴンの交通は日本の人込みの中での秩序と同じものなのだ。中には人の足を踏んでしまったり、ぶつかってしまったりする事もあるが、流れの中では些細な事故でしかない。ぶつかってもよほどの事が無ければごめんで済んでしまう様だ。

幸せなカブ
ベトナムのカブは幸せだ。道具として大事に、徹底的に、フルに、最後まで、永く使われている。乗りっぱなしで洗車もされず使われた上、直すよりも安いという理由で壊れたらそのまま廃棄されてしまう日本のカブとは対照的である。こき使われないまでも乗りもせず飾りになっていたり、おもちゃであったりファッションでしかないカブの何と多いことか。

その他写真


サイゴンの中心街。歩道はカブが2重に並べられている。道路はきれいだ。


夕方の帰宅風景。当然、停まっているのも走っているのもほとんどカブです。


行商のおばちゃん。ノンラー(菅笠)、PPバンドのカゴ、旧カブ。


店先でカブの修理を待つアオザイの女性。サイゴンではアオザイをアオヤイと発音する。


郊外の修理屋はこんな感じ。町中より新しいカブは少ない。

買ったモノ

  • ベトナムキャリヤ:ステンレス製で350円ほど。他、鉄に黒塗装やメッキの物もある。
  • ピリオンステップ:後軸に取り付けるタイプ。スイングアームにステップが付いていないC50に使うのであろう。チェーン引きを兼ねた構造でノーマルのチェーン引きを外して装着する。袋には純正部品と印刷されているがMade in VNとも?
  • オイルキャップ:スーパーカブがOHCエンジンになってからはすべて樹脂製であるが、これはステンレス製でバフ掛けされていた。
  • タペットカバー:ノーマルのアルミに対してより重厚?なステンレス製。
  • エンブレム:サイドカバー用の模造品。本物から樹脂で型取りしたのであろうが、ひどい造り。
  • サービスマニュアル:書店では2種類ほどみかけた。250円ほど。本屋をくまなく見て回ったがカブに関する書籍はサービスマニュアルだけ、バイク雑誌も見かけなかった。
  • コーションラベル:日本語のコーションラベルなんて現地では何の役にも立たないであろうに…と思ったが、カブにも製造国によるランクがあるのだ。もちろんタイや韓国よりも日本製のホンダの方が上。日本語のコーションラベルは日本製の証なのだ。しかし書き写したのであろう誤字の多い手書き文字には笑える。他にもタイ語のラベルも入手

行けなかった店
ムック「Cub」や藤本さんの写真にあったカブの中古部品屋街。クランクシャフトやシリンダーヘッド、果てはベアリングまで中古部品として売られている店を見てみたかったのだ今回は果たせなかった。

こうした店にも行きたかった・・・次回は是非!

1999-3-27作成

追記1:上記の仏蘭西風カブのオーナーは日本人の方でした。当地の日本食レストランの店長との事。この店でバイトしていた留学生の方がメールで教えていただきました。・・・さすがは仏領だっただけあると思っていたのですが・・・ザンネンだったりして(笑)

追記2:後で考えると、わたしたちが行ったのはサイゴンの中心地がメインである。東京なら丸の内や銀座、新宿なのだろう。こうした場所ではカブが人の移動用なのは当然である。チャイナタウン等で見かけた働くカブはもっと郊外に行けば、たくさん出会う事ができたのかもしれない。

3月 271999
 

カブは高価

サイゴンのカブは新しいモノも旧いものもきれいだ。皆カブを大事に使っている。汚れているカブは少ないし手入れも行き届いているようだ。出前に使われている日本のカブはひどく汚れたモノが多いのとは対照的である。家庭では夜間は家の中に大事にしまわれるそうだ。当たり前である、カブは高いのだ。ベトナムで新車のカブは約3,000USドル、新車の輸入には100%ほどの関税がかかっているため高価である。平均的な月収は150ドル程度という事なので20ヶ月分。立派な財産だ。道理で大切にされるワケである。ベトナムでは当然ながら最新型のカブがいちばん人気がある。現在のカブの最高峰はタイホンダ製で排気量100ccのDreamIIの様だ。経済的な面では発展途上のこの国ではすべての人間が最新型のホンダを持てるわけではない。


Dream II

旧いカブ
新車が高価な為、中古車の輸入が盛んである。新車が高価なだけに中古車も立派な価値をもっているのだ。新車の買えない人たちの需要は必然的に中古車に向かう。そのためサイゴンでは圧倒的多数を旧いホンダが占める。市中には明らかに日本から持ち込まれた事がわかるカブも多い。郵便配達に使われ払い下げられたカブも良く見掛けた。


浜松郵便局のカブ

彼らは別に旧いホンダが好きなのではないだろう。新車が買えないから旧いホンダに乗っているのだろうが、その数は圧倒的だ。市中を走るホンダの半分近くはタンク別体のモデルである。日本では70年代まで販売されていたが現在はほとんど目にしないし、輸出向けにしても80年代のはじめに生産が終了しているモデルだ。


タンク別体の旧いカブ

日本製 > 他国製
中古車の価値も排気量と年式(もちろん程度も)によって評価されるのではあるが、もひとつ基準がある。それは生産国である。カブは東南アジアのいくつかの国で生産されているためベトナムには各国のカブが走っている。その中でのいちばんはやはり日本製だ。精度が高く耐久性に優れていると思われているのであろう。その他にもタイ製や韓国製のカブもあるが日本製のカブよりも価値が低いとされている様だ。そのため中古のカブを日本製に見せかけるため、わざわざ日本語のコーションラベルを張り付けたりする。


DMC HONDA(韓国製)のカブ

レストア
新車が高いから中古車にも値が付く。という事でベトナムではいくらボロいカブでも直す。人件費は相対的に安いからなおさらだ。全部バラしてサビを取り、塗装し直して組み立てる。まさにレストア作業。その作業にひと月掛かってもそれなりの価格で売れれば立派に商売になる。何といっても新車の価格が3,000ドルで平均月収は150ドルだからね。彼らが日本の解体屋を見たら宝の山に映るだろう。


レストア風景

模造(偽)純正部品
沢山のカブが走っているから部品の需要も多い。そして純正部品は日本を筆頭とする外国製品だ。という事で必然的にニセモノや模造品が流通する事になる。ガスケットやワイヤー類、ブレーキシューといった消耗品類は当然として、シートやフロントフェンダーやサイドカバーといったプラスチック製の外装部品、果てはエンブレムからコーションラベルまでとその品揃えは豊富だ。


模造品の山

リアフェンダー
カブのフレームの弱点を知る日本人は少ないだろう。普通はここがダメになるまで使わないから知らないのだ。それはリアフェンダーである。カブのリアフェンダーはフレームと一体でそのフェンダーは薄い鉄板で造られているためサビに弱いのだ。カブをとことん使い倒すベトナムではこれも直す。ホンダではフレームと一体のリアフェンダーは部品としては供給していないがここではちゃんと?部品として用意されている。


リアフェンダー交換中

シート屋
非純正部品で充実しているのはシートである。街にはシートの専門店がじつに多い。仕事はシートの張り替えやピリオンシートの製作の様である。需要が多いのであろう、純正そっくりのニセモノから2トーンカラーのモノ、果はカモフラージュ柄のシートまで売られていた。ご丁寧にもほとんどの製品にはちゃんとHONDAのロゴが入り、ダブルシートなどには後ろだけでは足りないのか両側面にもロゴが入っている。ピリオンシートを手にしてみるとベースは建築用の厚いベニヤ板(コンパネ)だった。


シート屋

各種専門店
という事でベトナムのバイク屋は専門店化している。前述のシート屋の他にもパンク修理やスプロケットとチェーンの交換を主に扱う店もある。中でもいちばん多いのはパンク修理屋だ。市中のちょっとした交差点には店がある。店といってもパンクを修理する最小限の道具を備えた路上修理である。これはパンクがもっとも一般的なトラブルである事と、修理屋の中でいちばん資本が掛からない事が一致した結果であろう。


路上パンク修理

他、スプロケとチェーンの交換屋も路上無店舗営業が目に付いた。もっともこちらは高価な日本製部品の在庫が必要なのでパンク修理屋より開業に資本が要るだろう。スプロケは非純正品がメインではあったがチェーンは日本の大同工業(DID)のシェアが高い様であった。(ニセモノか?)看板代わりに路上にスプロケとチェーンの箱をぶら下げている。


路上チェーン店

レッグシールド修理
フロントカバー(レッグシールド)の修理屋もよく目に付いた。店の数じたいも少なくないし、モノが白くて大きいから目立ったのであろう。レッグシールドの割れた部分を百円ライターなどで溶かしてつなげ、ヤスリで荒研ぎした後サンドペーパーで水研ぎし、仕上げにバフ掛けをして完成。器用なものである。店の軒先にはたくさんの完成品が下げられていた。


レッグシールド修理店

修理屋街とバイク屋街
こうした修理屋や部品屋はサイゴンの市中各所に集まってバイク=ホンダ=カブ屋街をなしている。私はサイゴンの中心部から4キロほど北西にあるタンタン市場やビン・タイン区、そしてタン・ディン市場の修理屋街を見物したがまだまだある。サイゴンではカブに限らず食料品の市場を筆頭に衣料品、電気製品等の店が集まって○×屋街を形成することが多い様である。カブの販売店も同様に中古車、新車を並べた店が集まっている。有名なベン・タイン市場の西側、レ・タイン・トン通りは上野のバイク屋街の店のすべてがカブだけを並べているといった様相。

ベトナムキャリヤ
現地のカブでもっとも普及しているアクセサリーは、レッグシールドの内側に付けるキャリヤである。普及率は97%(独自調査による感覚値)といったところか。何せここでは荷物を運ぶより人を運ぶ方がはるかに優先順位が高いため、後ろの荷台はほとんどピリオンシートになっている。そこで荷物スペースとしてこのキャリヤが必要となるのであろう。残る3%のカブのうち2%はキャリヤの代わりにトランクが付けられいるが、その上面はちゃんとシートになっている。キャリヤにはばね式の押えが付いていて、スコールには必需品のポンチョを挟んでおくにはちょうど良いサイズだ。(つづく)

1999-3-27作成