スーパカブのミッションは大半が3速である。カブが使用されるのは町中が主であろうからこれで十分といえる。ところがスーパーカブでツーリングをするようになると4速ミッションが欲しくなる。ある程度のスピードで長時間走り続ける様な状況では4速があるとエンジンの回転が下がるので静かな=疲れない走行ができる。
現在標準で4速ミッションを持つスーパーカブは角目のC50カスタムとカブ100EX(通称タイカブ)だけであり、カブ好きなツーリストに人気のある丸目の90(HA02)のユーザーには潜在的な4速化の願望が少なくない…と思う。
カブの4速化でいちばんの近道はC50カスタムの部品を使うことだ。しかしこの方法にはちと問題がある。カブの1速ギアはメインシャフトと一体で50ccの場合この1速ギアが90より小さい=低いのだ。このまま90に組むと1速が低すぎて使いづらくなってしまう。
モンキー/ゴリラやCD/CLの部品ではどうだろう。CD/CLなら90ccもあるし…..しかしマニュアルミッション車は4速リターンなので4速からニュートラルには入らなくなってしまう。しかしマニュアルミッションで良いならこの方法も可である。
走行中はトップギアからニュートラルには入らず、停止している時だけニュートラルに入る「ニューロータリーパターン」の4速とし、かつ1速のギア比が低くならない様にするなら…..タイカブだ。4速のニューロータリーでメインシャフトの1速は90と同じ12T。
ところが…..タイカブは他のカブと異なりクラッチがミッションシャフト側に付いている。他のカブの様にクランクシャフトにクラッチを付けるとタイカブの大パワーでは負担が大きいからミッション側に移設したのだろう。(モンキーの改造で2次側クラッチと言われているものと同じ、現行のCD90も同様である)
そのためタイカブのメインシャフトは90よりもかなり長い。この問題がクリアできれば90の4速化は可能だ。もっともエンジンの構造上ミッションをいじるとなるとシリンダーからクランクけースまで分解しなければならない。ほとんど全バラだ。それならタイカブのエンジンに載せ換えた方が排気量アップと4速化が同時にできてベストかもしれない。
なお、C70やC50の4速化にはお金と手間以外の障害はないと思う。(90の4速化には2次側クラッチになる前のCD90のメインシャフトが使えるかもしれないが、こちらは資料が無く検証できていません。乞情報)
PS:4速化した90のオーナーから興味深いインプレッションをもらった。4速が加わった良さもあが、1-2速のつながりがノーマルよりもスムーズになったとの事。これは4速化以上に常時体感できるメリットかもしれない。ちなみにタイカブのギア比は1速が90と同じで2速、3速は90より若干低く、4速は90の3速より高くなっています。