はやぶさ_ミネルバ投下

11月12日:3度目のリハーサル降下を行い、高度55メートルまで接近した。探査機「ミネルバ」を投下した。搭載機器は順調に機能していたが、重力補償のためのスラスタ噴射の途中で分離してしまったため探査機は上昇速度を持ち、イトカワへの着陸は失敗した。このリハーサルでは、降下誘導にLIDARが使えず、自律的な画像認識による誘導も機能しないため、新たに「地形航法」という手法を考案して試してみた。また近距離レーザー光度計 LRF の動作確認も行った。何より大きな違いは、太陽発電パドルに太陽光の圧力を受けることで降下速度を時速100メートルほどとごく低速にしたことだった。ミネルバの投下失敗は、元々太陽光による圧力やイトカワの引力ではやぶさが降下している間に分離が行われる予定でいたが、指令コマンドの順番をミネルバの分離命令の直前に、降下速度を抑えるためのRCS噴射命令を入れて送信してしまうという人為的ミスによって、はやぶさが上昇をはじめた直後にミネルバを分離してしまったことで起きた。

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