はやぶさ_帰還

6月13日
15時6分:ハワイ島のすばる望遠鏡がはやぶさの撮影に成功。地球までの距離は約17万km[61][62]。
19時51分:カプセルの切り離しを行った[注釈 70][32]。地球までの距離は約7万km。
22時02分頃:地球を撮影。
22時27分頃:内之浦局に地球の写真を送信中に水平線の向こう側に入り通信途絶[62]。

はやぶさはカプセルを分離した後、最後に地球を撮影するミッションを行った[25]。イトカワの観測終了後、カメラとその保温ヒーター電源は長時間切られたままで健全性が不明だった。また、カプセル分離まではそれに適した姿勢に保つ必要があり、分離機構が不調の場合にはカメラを地球に向けての写真撮影はできないと思われていた[64]。しかし、カプセルの切り離しに順調に成功したため、カプセル取り付け面に対して側面にある広角カメラ (ONC-W2)[63][65]を地球方向に向くよう姿勢を変更した。カプセル分離の反動でふらつく機体の姿勢を、イオンエンジンの推進剤の直接噴出と1基だけ残ったリアクションホイール (RW-Z) によって立て直し、2時間かけて[66]機体を回転させた[67]。そして13日22時2分頃までに地球を5 – 6枚撮影し、データを地上に送信した。そのほとんどは真っ暗なものでしかなかったが、送信の最中に通信が途絶して写真の下部が欠けていた最後の1枚の写真が、ぎりぎりで地球の姿を捉えていた[64][66][68][69]。

2003年5月9日の打ち上げから7年。姿勢制御用のリアクションホイールは3基中2基、化学燃料スラスタはすべて故障。バッテリは放電しきっているため、太陽電池パネルが太陽方向から逸れると即座に電源断となる状態。故障したスラスタ同士を繋いで復活させたイオンエンジンもいつ止まるかわからず、搭載されたコンピュータすらビット反転を起こし始めているという、まさに満身創痍の帰還であった。実際に使用されることはなかったが、最後のリアクションホイールが故障した場合の対策も用意されていた[70]。

大気圏再突入
2010年6月13日の大気圏再突入。これにより、「はやぶさ」は打ち上げから7年、総移動距離60億kmにおよぶ長い旅を終えた。

6月13日22時51分頃[3][62]惑星間軌道から直接12km/sの相対軌道速度[71][注釈 71]で、はやぶさ本体およびカプセルは大気圏再突入した。流星のように輝きながら無数の破片に分解し、燃え尽きていくはやぶさ本体と、一筋の光の尾を曳いて飛び続ける再突入カプセルは、南オーストラリア州においては数十秒間にわたり地上から肉眼でも観測され、満月の倍の明るさに相当するマイナス13等級の輝きを発し[72]、人の影が地面に映るほどの明るさとなった[73]。 事前の予想では、大気圏再突入時の光跡は最大でマイナス5等級程度と報道されていたが[74]、後の記者会見では、この予想ははやぶさ本体を含まない、再突入カプセル単体の明るさを指した予想であったと訂正された[75]。

22時56分[62]、カプセルからの電波信号(ビーコン)が受信され、パラシュートが開いたことが確認された。カプセルは23時8分頃に着陸したと推定される[62]。着陸予想地点の周囲に展開した方向探測班がビーコンの方向から落下位置を推定し、発熱による赤外線を頼りに[76]ヘリコプターによる捜索が行われ、13日23時56分、再突入直前の予想地点から1 kmほどのウーメラの北西約200 kmで目視により発見された[3][76][77][78]。

現地の砂漠一帯は先住民アボリジニーの聖地でもあるため、14日午前にアボリジニーの代表がヘリで現場を視察し、了解を得た後、宇宙機構のチームがカプセル回収に向かった[76]。カプセルに付いている火薬などの危険物が安全な状態かどうかを調べた後、カプセル回収作業開始し、約4時間後に回収を完了し[79]、専用のコンテナで現地の拠点施設まで移送された[80]。また、探索されていたヒートシールドも14日14時頃に発見され[4]、翌日に回収された。

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