スーパーカブC100がアメリカで販売された際の名称は「Honda 50」です。なぜ「Super Cub」でないのでしょうか。
スーパーカブは1958(s33)年に発売され、翌年からアメリカ(北米)でも販売される様になりました。その当時、アメリカにはすでにスーパーカブが走っていたのです。正しくは「飛んでいた」ですね。そうです、アメリカには「Super Cub」という飛行機があったのです。そのためにホンダのスーパーカブは、現地で「Super Cub」と名乗れなかったのでしょう。
飛行機の方のスーパーカブは、バイクの方より9年早い1949年にパイパー・エアクラフト(Piper Aircraft)社から発売されました。正確な名称はPiper PA-18 Super Cubといいます。
Piper PA-18 Super Cubの前身は、1930年代にパイパー社から発売されたJ-3カブという軽飛行機です。その機体は安価で、軽量なため短距離で離陸できた上、安定した飛行で扱いやすかったため、ベストセラー機として当時の軽飛行機の代名詞となりました。
日本で軽飛行機の代名詞といえば、Cessna Aircraft Company社のセスナ(172)になりますが、セスナの機体が金属製で4人乗りなのに対し、スーパーカブは布張りという旧式な構造で2人乗りであったため、セスナより軽量で安かったのです。
パイパー社のJ-3カブは一般的にはパイパーカブ(Piper Cub)と呼ばれていました。そのパイパーカブの改良型として、1949年に登場したのがPiper PA-18 Super Cubです。このあたりはF型カブの後継機がスーパーカブになったのと同様ですね。
PA-18スーパーカブは従来のパイパーカブよりも機体のフレームが強化され、燃料タンクを主翼の中に移設、尾翼が大きくされるなどの改良がほどこされ、扱いやすさがさらに高まリました。生産数は15,000機ほどで、いまでも個人用や練習用として各地で使用されています。
わたしがスーパーカブのサイトのドメインを取るとき、まっ先にチェックしたのは当然ながら“supercub.com”でした。しかし“supercub.com”は登録済みで使用されていました。そうです、このドメインは飛行機の方のサイトとして使用されていたのです。
そのためにわたしのサイトは“super-cub.com”になったワケです。ホンダがアメリカで“Super Cub”の名前を使えなかったのと同様に、わたしも“supercub.com”が使えなかったのです。
“supercub.com”では、荒れた土地でも離着陸できる様に、風船の様な大きく太いタイヤのスーパーカブや、雪上用にスキーを履かせたスーパーカブ、水上用にフロートを履かせたスーパーカブなどが紹介されています。これを見ますと飛行機のスーパーカブも、バイクのスーパーカブと同じ様に、生活に密着した道具だという事がわかります。
wikipediaを見ますと、エンジンの出力により105hp(馬力)が105 Super Cubだったり、125hpが125 Super Cubと、バイクの方のC105やC125を連想させる様なバリエーションも見られます。
アメリカには飛行機とバイク、両方のスーパーカブを持っていたり、使っていたりする方がいらっしゃるのでしょうか。もしかしたら日本にも・・・そうした方を検索で見つける事はできるでしょうか。
○Link: www.supercub.com(Backcountry Super Cub LLC.)
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