働くカブ(新聞配達)

働くカブの御三家と云えば新聞配達と郵便配達、そして出前だろう。これらがスクーターだったら日本の朝の風景が違って見えることと思う。郵便配達用のカブについては以前に書いたので今回は新聞配達のカブ。

プレスカブが発売されたのは1988年。新聞配達用バイクとしてはヤマハのニュースメイトが1985年発売と早かったが、本家のカブにも新聞配達用のカブをというリクエストは現場からも多かった事と思う。何せ買い換え時でも下取りの金額がカブとメイトでは雲泥の差があるのだ。

このプレスカブ、外観を見れば普通のカブとの違いは明らかだ。大きなリアキャリアと前カゴ、そして前カゴに入れた新聞に遮られない様にと、位置を換えられたヘッドライトとウインカー。その違いが新聞配達の仕事を物語っている。

しかし、新聞配達はただ荷物が多いだけではない。当然である。朝夕の限られた時間内で数百部もの新聞を配達しなければならないのだ。プレスカブにはそうした過酷な使用条件を物語る機能が隠されている。

リアブレーキである。プレスカブのリアブレーキは通常のカブと同じドラムブレーキではあるが、ブレーキシュー(摩擦材)の面積(容量)は2倍となっている。これはCD125と同容量、どうしてこれほどの強化が必要なのか。

それは新聞配達人がフロントブレーキを使わないからだ。停止にはリアブレーキしか使わない。否、彼らはリアブレーキしか使えないのだ。

彼らは時間との戦いの中、通常であればフロントブレーキを握る瞬間にも、その手はもう次に配達する新聞に伸びているのだ。彼らはそこまでして限られた時間内での配達に努めている。プレスカブのリアブレーキはその結果が形となったものだ。

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