エコラン@鈴鹿「0.35グラム差」

エコラン@鈴鹿「挑戦状」のつづき

ちびTさんにここまでやっていただいたら、挑戦を受ける他ありません。さっそく鈴鹿サーキットのサイトで参加を申し込みました。とはいえ準備らしい準備といったら、実家に置いてあるソーラーカー用のタイヤと、エコラン用に改造したクラッチを長田さんのところに届けたくらい。

そして、ちびTさんから挑戦状をいただいたおかげで、我が家のエコランやりたい度は急上昇。秋の全国大会への参加を決めてしまいました。そして車両や新しいタイヤも手配。わたしたちは、ちびTさんの思うつぼにはめられたのかもしれません。

大会前の週末に長田さんの家で車両の準備。お互いに何をやれば良いのか分かっているので手際は良い。タイヤを交換したり、ベアリング類の調整等を行って、夕方には何とか走れる状態になりましたが、ちびTさんはこの日に、テストコースで最終調整をすると言ってました。ウチはいまごろこんな事をしていて大丈夫なのでしょうか。

そんな準備をしている最中、鈴鹿大会のエントリーリストがWeb上で公開されました。ちびTさんのところのチーム名は「ちびっ子三輪車V3」。コメント欄には「かかってこい!スギヤマカツヒサ!」とありました。ちなみにウチのチームのコメントは「出稼ぎに来ました。目標180km/l」です。

その後、ちびTの鈴木さんからメールが届きました。内容は「ウチの目標は181km/lです」と「大会後一緒に打ち上げをしましょう」というお誘い。もちろんその様な嬉しいお誘いに乗らないハズはありません。長田さんの予定を確認しすぐに返答。これで鈴鹿行がさらに待ち遠しいものとなりました。

大会当日。わたしたちは40過ぎのおっさんチームですので、無理せず前日に四日市で一泊してからの鈴鹿入り。パドックのオープン時間が3時からとなっていましたので「ずいぶん早いなぁ」と思いつつ、5時に鈴鹿サーキットに着き、パドックに行くと閑散としていて「ホントに今日だったっけ?」と不安になる様な状態でした。

前日の雨も上がったので、準備も滞りなくスムーズに進みます。車検も問題無し。ウチはゼッケン3番で、ちびTさんは4番。午前中の試走は3周までとなっていましたが、ブリーフィングで一度に走れるのは3周までですが、時間内であれば何回でも走れますとの事。はじめてのコースで、ギア比も走行パターンも分からない自分たちには朗報でした。

試走は結局3周を3回走りました。はじめは完全な様子見。ドライバーの長田さんが言うには、ダンロップコーナーで止まってしまうと、再び加速するのはキビシイそう。やはり結構な登りという事です。2度目は本番を想定した走行を試し、3度目は上り坂への対策として、ドライブスプロケットを16Tから15Tに下げてみました。

走行後に聞くと、こちらの方が良いフィーリングだそうです。燃料の減り具合はデジカメで撮っただけでしたので、2度目と3度目を燃料の消費量で比較する事ができませんでしたが、ドライバーのフィーリングを優先してこの仕様で行く事にします。

鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎでは、コースの起伏が大きく異なるため、走り方も違ってきます。もてぎは高低差の少ないコースですので、空気抵抗を考慮して、スピードを上げすぎない様に走ります。一方、鈴鹿の東コースは高低差が大きく、登りと下りしか無い様なコースです。

ストレートは長い下り坂ですので、エンジンを掛けなくても勝手にスピードが上がってしまいますし、登りは急ですので、スピードを落としすぎますと、その後の加速が困難になってしまいます。そうした状況に合わせて走りますと、平均スピードは必然的に上がってしまう事になります。

そのため制限時間を気にせずに走れるのは楽ですが、ドライバーの走り方による差が出やすいとも言えます。鈴鹿の走り方はむずかしく、その分ドライバーには走り甲斐のあるコースと言えるでしょう。また速度が上がるという事は、空気抵抗がもてぎより大きく影響する事にもなります。

試走での下りの速度は50キロ近くに達しました。そこで、このスピードを使って上りの途中まで行き、エンジンは2度掛けて登り切るパターンとしました。何度もテストしてみなければベストな走り方は分かりませんが、市販車クラスでしたら、上りを2-3速とギアチェンジする様な走り方もアリかもしれません。(エコランではギアチェンジしない走り方が一般的です)

本番は1時から。はじめてのコースですので、長田さんとは「今回は勝てなくても仕方ない」と話していました。そのためあまり気負いはありません。もちろん手抜きも無しです。本番はコースを5周、11キロ弱の距離を走ります。

我々は3番目のスタートで、ちびTさんは4番目。スタート後はピットレーンで、ちびTの本沢さんや鈴木さんたちと競技を見守ります。時間的には1周あたり5分前後で走れば良いのですが、実際の走りではこれよりペースが早くなりますので、タイムアウトの心配はほぼありません。2周を走ってストレートに戻ってきたのは、ちびTさん。先に来るハズの長田さんが見えません。

すぐさま「トラブル」や「リタイヤ」という言葉が頭をよぎります。しかし、程なく長田さんはストレートに姿を現しました。実際の遅れは20-30秒ほどなのですが、こういった時は時間が長く感じられるものです。この周はウチのマシンも遅れはしましたが、ちびTさんはずいぶんと速い様です。

あとでドライバーに聞くと、この周の上りでエンジンの始動手順を誤ってしまって遅れたとの事。その後もちびTさんは速いペースで飛ばしていて、ピットのふたりは「速すぎる」「あいつレースと勘違いしてるんじゃないのか?」などと色めきたって≒盛り上がっていました。ちびTさんのドライバーはフランソワ・コデールさんというカナダの方。結局コデールさんは先にスタートした3台をすべて抜き去リ、トップでゴールしました。

ウチはちびTさんから2分半ほど遅れてゴール。すぐに係員の立ち会いの下、燃料タンクを外して計測場所に向かいます。計測の前に、ちびTさんの燃料タンクと見比べてましたが、どちらが多いかは分かりません。燃料タンクは係員により精密な秤で重量を計測します。先に計測を終えたちびTの鈴木さんも、ウチの計測結果を待っています。

ほどなく計測が終わり、鈴木さんとデータを比較しますと、消費したガソリンの重量はウチの方が0.35グラムほど少ない・・・勝ってしまった様です。ピットに戻って燃費を計算しますと157.26km/lと、予想&目標より低い値。これには、公式発表された時点での燃料密度より、競技中の方が気温が上がって密度が下がったことも影響しているのだと思われます。

しばらくの後、結果が発表されたというアナウンスを聞き、ふたりでコントロールタワー下の掲示板に向かいます。結果はウチが1位でちびTさんが2位。10.89kmの距離を走り、燃費はウチの157.26km/lに対して、ちびTさんは156.19km/lと、その差は1.07km/l。ガソリンの消費量でいうとわずか0.35グラム=0.47ccという僅差です。3位のチームは118.2km/lでしたので、ちびTさんとウチがいかに拮抗していたかが分かります。

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帰りの支度をする前に、一緒に写真を撮るため、カブを押してちびTさんのピットにうかがいました。お互いのカブを並べて写真を撮っていますと、ちびTさんのお仲間から鈴木さんに”土下座コール”が・・・みなさん本沢さんのメールを覚えていた様です。

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その盛り上がり方を目にしますと、ちびTさんたちは、自分たちの仲間が勝つよりも、こちらを期待してた様でもありました。写真もたくさん撮っています。わたしたちは土下座され、どんな顔をして良いのか分からず、ただ苦笑いするばかりでした。

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その後、表彰式を終えてからちびTの皆さんと豊田市へ移動。その晩の打ち上げに招いていただいた上、鈴木さんのお宅にまで泊めていただきました。鈴木さんたいへんお世話になりました。本沢さんをはじめとする、ちびTのみな様ありがとうございました。

こうして卒業するつもりだったエコランに、ちびTさんのおかげでふたたび引きずり込まれてしまいました。全国大会ではちびTさんに加えて、チームメイトの長田さんもライバルになります。エコランは自分との戦いだと思ってやっていましたが、相手がいるとさらに楽しいですし、その相手が素晴らしい方たちであればなおさらです。

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